
― 輸出入・企画・製造5分野における多角展開 ―
JCBO事業計画
― 輸出入・企画・製造5分野における多角展開 ―
Ⅰ.事業の目的とビジョン
Hong Kong JCBO Limited(以下、JCBO)は、国際的な調達・製造・販売ネットワークを軸に、アジアを中心としたグローバル市場での競争力強化を目指す企業グループである。
本計画では、日本および香港に拠点を置き、**輸出入・企画・製造の3軸を融合させた「統合型貿易事業モデル」**を確立し、持続的な成長を実現することを目的としている。
JCBOが掲げる理念は、「地域と国を越えた共創による価値創出」である。
日本の品質基準とブランド信頼性、そしてアジア諸国の生産力とスピードを掛け合わせることで、各国市場に最適化した商品を開発・供給する。これにより、単なる輸出入ビジネスではなく、企画・製造・ブランド創造を含む包括的な国際ビジネス・プラットフォームを構築することを目指している。
事業展開の中心となるのは以下の5分野である。
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日用雑貨・生活用品
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建築資材・家具・インテリア用品
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自動車(新車・中古車・パーツ)
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健康食品・農産物・ミネラルウォーター
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ジュエリー・宝石・貴金属・鉱物
これらの分野はいずれも、アジア域内において成長性が高く、消費構造の変化により多様なビジネスチャンスが生まれている市場である。
Ⅱ.市場分析
1. 日用雑貨分野
中国や東南アジア各国では、豊富な製造力と低コスト供給体制が整備されており、日本および先進国市場向けのOEM・ODM生産が活発に行われている。
特にコロナ禍以降、家庭消費やサブスク型EC(例:Amazon定期便、楽天サブスクリプション)の普及が進み、生活雑貨・キッチン用品・美容小物などのオンライン販売市場が急拡大している。
JCBOは、これらの供給拠点との直接的なパートナーシップを構築し、低コストかつ安定した供給網を確保。日本基準の品質管理を行いながら、自社ブランド展開およびOEM受託を並行して推進する。
2. 建築資材・家具・インテリア分野
日本国内の建築需要は新築よりもリノベーションやリフォームへとシフトしている。加えて、インバウンド再開によりホテル・飲食・観光施設などの商業空間における内装需要が高まっている。
中国やASEAN地域には高品質かつ多様な建材メーカー・家具工場が存在しており、コスト競争力とデザイン性を兼ね備えている。
JCBOは、これまでに築いてきた中国全土の建材サプライヤーネットワークを基盤に、建築資材・家具・照明器具などの一括調達・輸入支援サービスを展開。
設計会社や施工業者向けに、カスタムオーダー・小ロット対応・直送物流を強みに、建築分野での国際調達モデルを確立している。
3. 自動車関連分野
日本およびアジア各国における中古車市場は依然として拡大傾向にある。特にアフリカ・中東・南アジアでは、日本車の信頼性と部品の流通性から、中古車輸出および部品販売が急成長している。
さらに、近年は電気自動車(EV)関連部品、クラシックカーやレトロ車のリストア需要が世界的に増加しており、新たな市場形成が進んでいる。
JCBOは、日本国内の中古車オークションやパーツ業者と連携し、香港・中国・東南アジアへの輸出プラットフォームを構築。将来的には、EV部品やメンテナンスパーツを中心に、再販型サプライチェーンを形成することを目標とする。
4. 健康食品・農産物・ミネラルウォーター分野
世界的な健康志向の高まりと「日本製」への信頼性により、日本産の健康食品や農産物はアジア市場で安定した需要を持っている。
JCBOは、国内OEMメーカーや契約農家と提携し、和漢・自然素材・発酵食品・美容健康サプリメントを中心に商品開発を推進。
香港法人を通じた越境EC販売に加え、アジア各国でのライセンス販売・代理店展開を進める。特にミネラルウォーターや機能性飲料など、現地ブランドとの共同開発によるシナジー効果を目指す。
5. ジュエリー・宝石・貴金属・鉱物分野
中華圏・中東・ASEANの富裕層市場では、高品質な天然石や貴金属製品への投資・コレクション需要が拡大している。
JCBOは、香港の自由貿易港としての特性を活かし、小ロット・高品質・鑑定証付きジュエリーの国際流通を展開。
また、国内外のデザイナーとのコラボレーションにより、オリジナルブランドの開発も進めている。将来的にはアートジュエリー・工芸鉱物の展示販売会を企画し、文化的価値と商業的価値を両立した新市場を開拓する。
Ⅲ.事業モデル
JCBOのビジネスモデルは、調達 → 企画・製造 → 販売・流通の3段階を一気通貫で管理する「垂直統合型国際貿易スキーム」である。
(1)調達ネットワーク
中国・ASEAN地域の製造拠点(広東・浙江・ベトナム・タイ等)における直接調達ルートを確保し、信頼性の高いサプライヤーを厳選。
香港法人を中核に、為替・通関・保税倉庫を活用した柔軟な輸出入スキームを構築。
また、複数カテゴリを横断する調達ノウハウにより、物流・関税・貿易保険などの最適化を実現している。
(2)企画・製造管理
日本市場の品質基準・安全基準に合わせた製品監修と品質保証体制を整備。
自社企画チームがパッケージデザイン・製品設計・試作監修を行い、現地工場と連携して量産体制を整える。
OEM・ODM対応にも柔軟に対応し、クライアント企業のブランド構築を支援する。
(3)販売・流通チャネル
オンラインとオフラインの双方で販路を拡大。
Amazon・楽天・Shopee・LazadaなどのグローバルECモールでの直販を行うと同時に、国内外の卸売業者・専門店へのB2B取引を推進。
さらに、香港・東京での展示会・トレードフェア参加を通じてブランド認知を高め、海外ディストリビューターとの戦略的提携を進める。
Ⅳ.年度別成長計画
| 年度 | 主な目標・施策 | 売上目標 |
| 2025年 | 香港法人を活用した輸出入基盤の確立。雑貨・健康食品カテゴリを中心にEC販売を拡大。 | 月商500万円規模 |
| 2026年 | 自動車パーツ・家具事業に本格参入。OEM取引の拡大と業務提携強化。 | 年商1億円規模 |
| 2027年 | ジュエリー輸出の本格展開。香港展示会・中東バイヤー商談参加。 | 年商2億円規模 |
| 2028年 | 自社ブランド確立とOEM/ODM拡大。国内外物流拠点の最適化。 | 年商3億円規模 |
Ⅴ.強みと差別化要素
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日本人による企画・品質管理 × アジアの生産力
→ 日本の品質・デザイン基準を維持しながら、アジアのコスト競争力を活用。 -
香港法人を核とした柔軟な貿易スキーム
→ 為替安定・関税最適化・輸送効率化を実現。 -
複数カテゴリ横断の輸出入ノウハウ
→ 異業種間の調達知見を共有し、リスク分散と収益安定を確保。 -
OEM/ODM対応によるクライアント支援力
→ 日本企業・アジア企業双方のブランド構築を支援。
Ⅵ.課題と対応策
| 課題 | 対応策 |
|---|---|
| 物流費高騰 | 香港・上海・大阪拠点を結ぶ共同輸送スキームを導入。現地倉庫の効率利用で輸送コストを削減。 |
| 為替リスク | 香港ドル建て取引による安定化。為替予約やヘッジファンド活用でリスク分散。 |
| 品質管理の難易度 | 検品拠点を上海・広東に設置し、第三者評価制度を導入。生産工程の可視化を進める。 |
| 市場競争の激化 | ニッチ市場(特定素材・特定文化圏)への特化戦略を推進。独自ブランドによる差別化を図る。 |
Ⅶ.まとめと展望
JCBOは、20年以上にわたる日中貿易の実績とネットワークを基盤に、**「アジアをつなぐ貿易ハブ企業」**として新たな成長段階に入る。
単なる輸出入業ではなく、製造・企画・ブランド開発を一体化した多角的事業モデルにより、B2B・B2C両市場でのシェア拡大を目指す。
日本国内では「品質と信頼」、アジア市場では「スピードと柔軟性」、そして香港を中心とする国際市場では「中継・金融・物流のハブ機能」を融合させ、
中小企業ならではの機動力と国際的感覚を併せ持つ貿易エコシステムを構築することが、JCBOの中長期ビジョンである。
今後は、パートナー企業との連携を一層強化し、アジアにおけるサプライチェーンの最適化を進めるとともに、各国の市場特性に即したブランド戦略を展開する。
JCBOは、日中間を軸とした国際商流の中で「価値創造型トレーディングカンパニー」としての地位を確立し、持続可能で革新的な事業発展を続けてまいります。